「フリーランスの売上がまだ不安定だから、バイトで補填しようかな…」
そう思った時、ふと心配になるのが「扶養(ふよう)」のこと。
「 バイト代と事業の売上、これって足されるの?どう計算するの?」
に関してまとめました。
結論:「足されます!でも、控除がある!」
まずは「所得の種類」を整理しよう
お金の稼ぎ方によって、税金の世界では名前(所得区分)が変わります。
| 働き方 | 所得の種類 | 特徴 |
| パート・バイト | 給与所得 (きゅうよしょとく) | 会社から貰う給料。源泉徴収票がもらえる。 |
| 事業・副業 | 事業所得 (じぎょうしょとく) | 自分で稼ぐ売上。経費が使える。青色申告ができる。 |
この2つがある場合、確定申告では「給与」+「事業」=「合計所得」として計算します。
税金は「バイト(給与)」と「事業(副業)」を合算して決まります。
| サービス名 | 契約形態 | 所得の種類 | やよい(帳簿)に入力する? |
| ①タイミー | 雇用契約 | 給与所得 | 入力しない(申告書Bに直接書く) |
| ②ママワークス | 要確認 | 給与 or 事業 | 給与ならしない/委託なら「売上」にする |
| ③ココナラ | 業務委託 | 事業所得 | 「売上」として入力する |
日々の帳簿にはバイト代を絶対に入力しないでください!
・日々の帳簿(やよい会計ソフト等への入力):事業所得だけを入力(バイト代は入力しない)。
・確定申告の作成時(2月):最後の作成画面で「源泉徴収票」の内容を入力し、そこで初めて2つ(給与所得と事業所得)を合体させて入力します。
①タイミー(Timee)で単発バイト
タイミーは仕組み上、短時間であっても「雇用契約」を結びます。つまり、あなたは「個人事業主」としてではなく「従業員(アルバイト)」として働いたことになります。
→日々の帳簿(仕訳): 入力してはいけません!(事業の売上ではないため)。
※確定申告書を作る最後のステップで、「給与所得」という欄に源泉徴収票(アプリで発行されます)の金額を直接入力します。事業の決算書(青色申告決算書)には混ぜないでください。
②ママワークスで1か月単位の仕事(時給制)
契約内容によります。ママワークスには「雇用契約」と「業務委託契約」の2パターンが混在しています。
「時給」であっても、契約形態を確認する必要があります。
パターンA:「雇用契約(アルバイト・パート)」の場合→給与所得
→ タイミーと同じです。事業の売上には入れず、給与として申告します。
パターンB:「業務委託契約(請負・委任)」の場合→ 事業所得(事業収入)
→こちらは事業の売上になります。「時給×時間=報酬」として計算されていても、プロとして仕事を受けた対価なので、やよいに「売上」として入力します。
【パターンAかBかの見分け方】
相手から送られてくる明細を見てください。
「支払調書」や「請求書」ベースでやり取りしている → 業務委託(事業)
「給与明細」で「源泉所得税(甲・乙欄)」などが引かれている → 雇用(給与)
③ココナラで単発で労働
100% 事業収入(売上)になります。ココナラは、あなたのスキルや成果物を商品として販売する場所です。雇用関係はなく、立派な商売ですので、これはあなたの本業の一部とみなされます。
→やよいへの入力方法
①売上: 販売価格(手数料が引かれる前の金額)
②経費: ココナラの手数料(販売手数料)
③入金: 実際に振り込まれた金額
※「手取り額」だけを売上にするのではなく、「総額を売上、手数料を経費」として両方計上するのが正しい青色申告のルールです。
「扶養」の壁は2種類ある
扶養には、「税金」と「社会保険」の2つの壁があり、計算ルールが全く違います。
税金の壁(配偶者控除や103万円の壁など)
旦那さんの税金(配偶者控除)や、ご自身の所得税に関わるラインです。
- 103万円の壁: これを超えると、ご自身に所得税がかかり始めます。
- 150万円の壁: これを超えると、旦那さんの税金優遇(配偶者特別控除)が徐々に減り始めます。
- 201万円の壁: 旦那さんの税金優遇が完全に消滅します。
こちらは「利益」で判断します。
バイトと個人事業主を掛け持ちすると、2つの「控除(非課税枠)」をダブルで使えます。
(バイト収入 - 55万円) + (事業売上 - 経費 - 青色申告65万円) ≦ 48万円
※税金上の所得は「0円+0円=0円」となり、扶養にバッチリ入れます。基礎控除(48万円)の枠がまるまる残る計算です。
- バイトの控除:年55万円まで(給与所得控除)
- 事業の控除:最大65万円まで(青色申告特別控除)
扶養内で賢く働きたいなら、「バイト年収55万 + 事業利益65万」までなら、税金上の所得はゼロ扱い。扶養に入ったまま、ガッツリ稼ぐことができます。
社会保険の壁(130万円の壁)
こちらは「入ってきたお金(収入)」で判断されることが多く、厳しいです。
基準は「年収130万円未満」であること。
(バイト収入 + 交通費) + (事業売上 - 経費) < 130万円
- ポイント1: バイトの交通費も「収入」に含まれます!
- ポイント2: 事業の「青色申告特別控除(65万円)」は引けません!(※加入している健康保険組合によりますが、引けないと考えたほうが安全です)
- ポイント3: 事業の経費も、売上に直結する「原価」しか認めない組合もあります。
ここを超えると、自分で保険料(年約30万円〜)を払うことになるので注意が必要です。
Q. ママワークスなどで「雇用」と「業務委託」選べるならどっち?
A.「雇用契約」の方が圧倒的にお得!(年55万円まで)
理由は、国が用意している「給与所得控除」という最強の節税クーポンが使えるからです。
・雇用契約(バイト)の場合: 年収55万円までは、税金の計算上「稼ぎはゼロ円」とみなされます。つまり、55万円まるまる非課税でゲットできます。
・業務委託の場合: 稼いだ分がそのまま「事業の売上」に乗っかるので、経費を使わないと税金がかかりやすくなります。
「バイト+事業」の二刀流が最強な理由
「バイトで55万稼ぐ」のと「事業でその分稼ぐ」のは、わけが違います。
個人事業主がバイトを掛け持ちすると、2つの「非課税枠」をダブルで使えるようになります。
- バイトの枠:55万円(給与所得控除)
- 事業の枠:65万円(青色申告特別控除)
この2つを合わせると、合計120万円もの「税金がかからない枠」が手に入ります。
- 事業一本の人: 利益が113万円を超えると税金発生。
- 二刀流の人: 合計168万円まで税金ゼロの可能性あり!(※)
つまり、「バイトを混ぜたほうが、税金を払わずに手元に残せるお金の限界値が増える」。
※注意点(130万円の壁) 税金はゼロでも、年収130万円を超えると「社会保険(扶養)」から外れてしまいます。 「バイト55万円 + 事業利益74万円 = 合計129万円」 これくらいを目指すのが、扶養内で一番手取りが増える黄金比です!
【103万円の壁】超えるとどうなる?
- あなた自身の税金(所得税)がほんの少し発生します(数千円程度)。
- 夫の税金(配偶者控除)は、まだ満額のまま変わりません(150万円までセーフ)。
- 【最重要】夫の会社の「家族手当」がストップする可能性があります。
- これが一番の損です!夫の給与明細や規定を必ず確認してください。
【損益分岐点】扶養を外れるなら、いくら稼げばいい?
もし「社会保険の扶養(130万円の壁)」を超えて働く場合、中途半端に稼ぐと手取りが減って損をします(働き損)。
保険料や税金の支払いをカバーして、手取りを元に戻すには、以下の金額が必要です。
- 超えてはいけないライン:年収129万円、かつ月108,334円未満
- 年間130万円を超えると、社会保険料(年約20万円〜)の支払いが発生し、手取りがガクンと減ります。
※年間129万9999円までギリギリOKだけど超危険!
交通費や、銀行の利息、ポイント利用分などの計算ミスで「1円」でも超えたらアウトです。 また、健康保険組合によっては「ギリギリすぎるから来年はダメ」と厳しく見られることもあります。
→ 安全圏は「年収125万円くらい」です。 - かつ、年収130万円未満でも、「月の稼ぎすぎ」には注意が必要です!
※即アウトになるケース
・「今後もずっと月11万円稼ぐ見込み」と判断された時。
・「3ヶ月連続」で基準を超えると、扶養から外される事が多い。
※セーフになるケース
・「たまたま今月だけ忙しかった(一時的)」という場合。
・年間の合計が130万円に収まるなら、1回だけ超えても大丈夫なことがほとんどです。
→毎月コンスタントに稼ぐなら、交通費込みで「月10万円以内」に抑えるのが一番安全!
※健保組合により厳しさは異なります。
- 年間130万円を超えると、社会保険料(年約20万円〜)の支払いが発生し、手取りがガクンと減ります。
- 損を取り戻せるライン:年収160万円以上
- 130万円〜159万円の間は「働けば働くほど手取りが減る」魔のゾーンです。
- 扶養を抜けるなら、覚悟を決めて170万円以上目指すのが正解です!
まとめ:個人事業主×バイトの「正解」はこれ!
最後に、絶対に覚えておいてほしいポイントは2つだけです。
1. 入力の罠:バイト代は「最後」に入れる!
日々の帳簿(やよい)にバイト代を入れてはいけません。毎月は無視して、年明けの「確定申告書作成」の時だけ入力してください。(ここで事業所得と合体させます)
2. 最強の働き方:バイトは「年55万円」が黄金比!
バイトを月4〜5万円(年55万円以内)に抑えて「給与所得控除」をフル活用すると最もお得。 事業所得が安定しない内は、給与所得控除枠を使い切り、残りを事業所得で稼ぐのが、税金的に一番損をしない、手取りを最大化させる方法です。

