業務効率化のために、GoogleのAI「Gemini」を活用している方も多いと思います。 私も、キャッチコピーの作成やアイデア出しによく使っています。
でも、ふとこんな不安を感じたことはありませんか?
- 「ここで入力した会社の機密情報は、AIに学習されてしまうの?」
- 「私のアイデアが、どこかの誰かの回答として勝手に使われたりしない?」
ビジネスで使う以上、セキュリティのリスクは正しく把握しておきたいですよね。 今回は、AI(Gemini)が私たちの会話データをどう扱っているのか、その「学習の仕組み」と「安全な使い方」についてまとめました。
Q1. 私たちの会話はAIの学習に使われるのか?
結論から言うと、「設定によりますが、基本的には使われます」。
Googleの公式仕様では、「Gemini アプリ アクティビティ」という設定が影響します。
- 設定が【オン】の場合(デフォルト)
- 会話の内容はGoogleのサーバーに保存され、AIモデルの品質向上のための学習データとして利用される可能性があります。
- 設定が【オフ】の場合
- 会話の内容は学習データとしては利用されません(履歴にも残りません)。
多くの方は、過去の履歴を見返したいので「オン」にしていることが多いはずです。つまり、仕事の会話も基本的にはGoogleの学習用データベースに入っていると考えた方が良いでしょう。
Q2. 名前や機密情報が外部に漏れる確率は?
ここで気になるのが、「学習される=情報漏洩」なのか?という点です。 これには2つの視点が必要です。
1. 他のユーザーに「回答」として漏れる確率
「〇〇社の新商品はこれです」といった機密情報が、他のユーザーへの回答としてそのまま表示される確率は、実質的にほぼゼロと言われています。 今のAIはデータベース検索とは違い、言葉のつながりを学習しているため、特定の個人の会話を一言一句そのままコピーして出力することは、構造上ほぼ起こりえません。
2. Googleの「人間のレビュアー」に見られる確率
実は、AIのリスクはこっちにあります。 Googleは品質改善のために、集まった膨大な会話データの中から「ごく一部をランダムに抽出」し、専門のレビュアー(人間)が目視でチェックしています。
この際、アカウント情報(メールアドレス等)は切り離されて匿名化されますが、「会話の文章そのもの」は見られてしまいます。
つまり、もし会話の本文中に
「私は株式会社〇〇の田中ですが、パスワード1234について…」
と書いてしまっていた場合、その文章がたまたま抽出されると、中身が人間に読まれてしまうリスクがあるということです。
Q3. ビジネスで安全に使うための3つの対策
「学習されたくないけど、便利だから履歴機能は使いたい」。 そんなジレンマを解消するための、現実的な対策を3つ紹介します。
① 致命的な機密情報は入力しない
これは基本中の基本です。
- クレジットカード番号
- システムのID・パスワード
- 顧客の個人情報(実名・電話番号)
これらは絶対にAIに入力してはいけません。
② 固有名詞は「伏せ字」にする
学習設定が「オン」のままでも、文章内から個人情報を消せばリスクは激減します。
- NG: 「(企業名や実名を直接入力)のキャッチコピーを考えて」
- OK: 「**[私の企業名]**のキャッチコピーを考えて」
このように、固有の部分だけプレースホルダー(記号)にして、AIが出力した後に自分で書き換えるのが最も安全で賢い使い方です。
③ 「使い終わったら削除」する
Geminiには、特定のチャット履歴だけを削除する機能があります。 Googleの仕様上、手動で削除されたチャット履歴は、学習データからも除外される仕組みになっています(※すでにレビュアーの確認プロセスに入ってしまったごく一部の例外を除く)。
「今日はかなり深いビジネスの話をしてしまったな」 そう思った時は、必要なテキストをメモ帳にコピペして保存した後、Gemini上のチャット履歴をすぐに削除しましょう。
【まとめ】怖がりすぎず、正しく恐れて活用しよう
- 設定オンなら、学習データとして使われる可能性がある
- 「漏洩」のリスクは低いが、「人間(レビュアー)に見られる」リスクはある
- 固有名詞を書かない、または終わったら削除すれば安全
AIは強力なパートナーです。 仕組みを正しく理解して、情報漏洩のリスクをコントロールしながら、賢く活用していきましょう。

