「会社を辞めて、失業保険をもらいながらバイトして、ついに開業!」 激動の1年を過ごした新人フリーランスの方、お疲れ様です。
でも、確定申告の時期になって疑問点だらけになっていませんか?
「失業保険は?」「会社時代の給料は?」「昔買ったパソコンは経費になる?」
「何を入力して、何を無視すべきか」の完全ガイドをまとめました。
【結論】入力する・しないの仕分けリスト
まずは、手元のレシートや明細を3つのボックスに分けましょう。
| 項目 | ① 日々の帳簿(やよい) | ② 最後の申告書作成 | 備考 |
| 会社員時代の給与 | × 入力しない | ◎ 入力する | 源泉徴収票を用意! |
| 退職金 | × 入力しない | △ 場合による | 税金が引かれていれば基本的に申告不要 |
| 失業保険 | × 入力しない | × 入力しない | 非課税! 税金はかかりません |
| タイミー (バイト) | × 入力しない | ◎ 入力する | 給与として会社給与と合算 |
| 事業・アフィリエイト | ◎ 入力する | 自動集計 | ここがメイン作業 |
| 開業前の経費 | ◎ 入力する | 自動集計 | **「開業費」**として計上(後述) |
やよい(帳簿)に入力するのは「事業」だけ!
日々の入力作業で、「会社時代の給料」や「失業保険」を入れてはいけません。 これらは事業の売上ではないからです。
【入力すべきはこれ!】
- 開業届を出した後の売上・経費
- 今年に入ってから(開業前に)発生したアフィリエイト収入
- 過去の準備費用(開業費) ←※超重要
【裏ワザ】数年前のレシートが「開業費」として蘇る!
実は、開業準備のために使ったお金は、数年前にさかのぼって経費にできます。 これを「開業費(かいぎょうひ)」と言います。
- 対象:パソコン代、サーバー代、勉強用の書籍、セミナー代など
- 入力方法:
- 日付は「開業日」にする。
- 科目は「開業費」(資産扱い)。
- 摘要に「開業準備費用一式」として合計額をドンと入力。
これだけで、今年の利益から過去の出費を差し引いて、税金を安くすることができます!
3~4年前の経費もOK?プライベート口座の生活費はどうする?
「開業前から準備していた3~4年分のサーバー代、経費になる?」
「生活費と同じ口座を使っていた場合、スーパーの買い物履歴も全部入力しなきゃダメ?」
4年前の経費、どこまでOK?
- サーバー代・ドメイン代・教材費:OK!
- 「今の売上のために必要だった」と言えるなら、4年前でも「開業費」として計上できます。
- 4年前に買ったパソコン:NG(対象外)
- パソコンの価値(耐用年数)は4年でゼロになります。4年前のPCを経費に入れるのは無理があるので諦めましょう。
プライベート口座の生活費は入力する?
結論:絶対に入力してはいけません!
生活用の口座を丸ごと連携すると、スーパーの買い物や家賃など、プライベートな支出の入力地獄になります。 「事業に関係ある経費だけ」をピックアップして入力するのが正解です。
やよいへの入力は「1行」で終わらせる
過去数年分のレシートを1枚ずつ入力する必要はありません。
Excelなどで合計額を出して、「開業日」の日付でまとめて1回入力すれば完了です!
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 摘要 |
| 開業費 | 合計額 | 元入金 | 開業準備費用一式(詳細は別紙参照) |
※貸方科目を「元入金(もといれきん)」にするのがポイントです。これでプライベート資金から出したことになります。
青色申告なら、赤字は「3年間」繰り越せる
今年の赤字は、来年以降の黒字(利益)と相殺(そうさい)できます。
【例:1年目は売上0円/支出100万円/合計赤字100万円、2年目は売上100万円/支出50万円/合計利益50万円、3年目は売上200万円/支出0円/合計利益200万円、4年目は売上300万円/支出0円/合計利益300万円の場合】
| 年 | 状況 | 計算(利益 - 過去の赤字 - 65万控除) | 税金の対象になる金額 | 税金(目安) |
| 1年目 | 大赤字 | 売上0 - 経費100万 = ▲100万円 ※控除は使えず消滅 | 0円 | 0円 |
| 2年目 | 黒字化 | 利益50万 - 過去の赤字100万 = ▲50万円 ※まだ赤字が残る! | 0円 | 0円 |
| 3年目 | 利益増 | 利益200万 - 残った赤字50万 - 65万控除 = 85万円 | 37万円※ | 数千円 |
| 4年目 | 大繁盛 | 利益300万 - 赤字なし - 65万控除 = 235万円 | 187万円※ | 約15万円 |
青色申告「65万円控除」って何がお得なの?
「たかが65万円引くだけ?」と思うかもしれませんが、3つの税金・保険料すべてに連動して安くなるのが最強のメリットです。
年収にもよりますが、利益300万円の人なら、年間で約15万〜20万円も手元に残るお金が増えます。
- 所得税(国税):5%〜45%
- 控除のおかげで、支払いが減ります。
- 住民税(地方税):一律10%
- 65万円 × 10% = これだけで毎年6万5000円の節税!
- 国民健康保険料:約10%(自治体による)
- ここも安くなります。これが一番デカイです。
いくら税金を支払うのですか?(目安)
ざっくりとした目安ですが、以下のようになります。
(※独身、扶養なし、国民年金・国保支払い済みと仮定)
- 1年目(赤字100万)
- 所得税:0円
- 住民税:約5,000円(均等割という基本料金のみ)
- 2年目(実質赤字50万)
- 所得税:0円
- 住民税:約5,000円
- 3年目(利益200万)
- 所得税:ほぼ0円
- 住民税:約2〜3万円
- ※本来なら15万くらい取られるところ、赤字繰越と控除で激減します。
- 4年目(利益300万)
- 所得税:約6万円
- 住民税:約15万円
- 合計:約21万円
- ※もし青色申告65万控除がなかったら、合計35万円くらい取られます。
確定申告をする年(1年目)に、辞めるまでもらった会社員の給料も合算される?
結論から言うと、合算されます(損益通算といいます)。
これには「メリット(還付)」と「注意点(繰り越し)」の2つの側面があります。
何が起きる?(損益通算の仕組み)
確定申告では、その年の1月1日〜12月31日のすべての収入を合算します。
計算式: 【プラスの給料】(会社員時代の給与 + タイミーのバイト代)VS 【マイナスの事業所得】(開業費などで作った赤字)
【メリット】税金が戻ってくる!(還付)
もし「事業の赤字」が大きければ、会社員時代に天引きされていた所得税を「なかったこと」にできます。
- 例:
- 会社給与:300万円(所得税10万円 天引き済み)
- 事業赤字:▲300万円
- 合計所得:0円
こうなると、国は「あれ?この人は年収0円だったのか。じゃあ天引きした10万円は貰いすぎだね」となり、10万円がまるまる現金で返ってきます(還付金)。 これが1年目の最大のボーナスです。
【注意点】赤字が消滅するかも?(繰り越し)
先ほどの質問で「赤字は3年繰り越せる」と言いましたが、繰り越せるのは「給料と相殺しても、なお余った赤字だけ」です。
- パターンA(事業赤字より給料の方が多い)
- 給料 300万 > 赤字 ▲100万 = 合計 プラス200万
- 結果:税金は安くなりますが、翌年への繰り越しはゼロです(赤字を使い切ったため)。
- パターンB(会社員時代の給料より赤字の方が多い)
- 給料 300万 < 赤字 ▲500万 = 合計 マイナス200万
- 結果:税金が全額戻ってくる上に、余った「▲200万円」を翌年に繰り越せます。
会社給与とバイト代は「最後」に入力
確定申告をする年に勤めていた会社員時代の給料や、タイミーなどバイトでの給料は、確定申告書を作る最後のステップで入力します。
やよいの「確定申告」ボタンを押した後、源泉徴収票を見ながら「給与所得」の欄に入力すれば、自動的に事業所得と合算されます。

